It’s over now, the music of the night.

思い出したことつらつら

某虚無映画の話

 昨今話題の「虚無舞台」というワードと関連して(というよりめりぴょん氏の過去エントリを見て思い出しただけなのだが)、一躍悪い意味で話題になった映画『バイバイ、ヴァンプ!』に推しが出ていたことを今更思い出したのでこちらに記してみる。虚無なのは舞台だけじゃないよ〜というノリ、完全に出来心だ。先に言っておくと、私はこの映画を一回も観ていない。

 

plus14.hateblo.jp

 

 201812月某日、推しの所属事務所が映画出演を発表した。普段映画を活動の場としていない推しの出演だったため、普通に喜んでHPを開いたら素人の作ったWebページのようなものが出てきた(現在ちょっとマシな作りになっているが、現在HPの左上のロゴがデカデカと出てきていたし縦スクロール仕様だった)。画質が悪い。東京・名古屋で行われる上映会の申し込みは先着で銀行振り込みが必要だった。申し訳程度に公式Twitterが存在したが、一言二言しか呟いてないしアイコンが初期設定のグレーだった。出演俳優の名前は他界隈に疎い私でも多少知ってる人がいたし、推しのビジュアルは最高だった。でも、虚無の匂いしかしない。特別上映会は確か日が経ってから出演者が公開となった。先着応募だったから焦っていたが、推しの周辺スケジュールが過密だったため様子を見ていた。結局のところ、推しは複数の登壇がある中一回も出ないことがわかった。

 

 特別上映会は推しが出ないから結局行かず、出演の被ったフォロワーにブロマイドだけ買ってきてもらった。フォロワーは映画の内容を全然教えてくれなかった。今思えばなんとも言い難かったのかな……と思う。知らないけど。特別上映会の日、推しは近くまで来ていたのに出演しなかったことがわかった。わたしはこの辺りで見る気を失っていた。

 

 そして見る気を失ったどころか、そこから暫く公式の音沙汰がなかった。他の映画に出演が決定したことを喜んだり現場に行ったりしていたら完全に忘れていた。そして忘れている間に、バイバイ、ヴァンプ!公式からでも、所属事務所からでもない映画情報サイトから前売券お知らせが出た。その後続いて他の出演者が告知したり、またバイバイ、ヴァンプ!公式が発表したりしていたが、推しの所属事務所は公開当日まで映画に一切触れなかった。

 

 20202月某日、映画公開となる。情報解禁から実に1年以上経っている。公開当日直前に所属事務所が呟いたが、推し本人は全く話題にしなかった。一部のおたく(と言えるのか謎な人)が「○○がバイバイ、ヴァンプ!に出てるなんて失望した」「次の舞台降りろ」とか言っているのを見てゲラゲラ笑っていた。内容を見ていないので何とも言えないが、わたしはこの映画を完全にネタ扱いしていた。

 

“推しがこの映画に出演すると判明した時点で「もう撮ったものはしょうがないのでイベントからは逃げろ」という怪文書を事務所に送りつけてもよいレベル。”

 

という氏のブログの一文を見て納得したが、推しは逃げたのだ。結局今の今までその後推しはこの作品についてSNS等では触れていない。その結果俳優自身にはあまり飛び火せず済んだように思うが、Wikipediaには出演作として登録されていた。誰だよ編集したの。同担は鍵垢が多いしプラスの意見もマイナスの意見もあまり見なかったし、正直出演してチケット販売まで察知したおたくがどれだけいるかわからない。ちなみに公開後すぐ舞台挨拶があったようだが、もちろんこれにも推しは出演していない。わたしはチケットにブロマイドがついてきたので買ってしまったのだが、結局映画に行っていないためそのまま前売券を持っている。逆に思い出になるかな、と思い始めたので今後これ使えますよ!と言われても使わない気がする。前売券面の推しの顔がいいので今後もチケホルに入れっぱなしにしてたまに笑いたい。

 

 ということで、この映画に加担してる俳優・おたくの図を想定して批判していた人はこれを読んでまあ俳優も逃げたかったんだと思うよということを覚えていてほしい。そしておたくも望んで虚無を見ているわけではないから、推しが登壇したり前売にブロマイドが付いてきたりしなければこの映画のことを綺麗さっぱり忘れられたのに……と思っている。おたくも現場から逃げたい時だってある。俳優おたくは作品より推しに金を払いたいと思っているので、虚無を見せられたら普通に怒る。この作品は蓋を開けたら虚無、とかではなく情報解禁からずっと虚無だったのでたぶん出演俳優のおたくは随分不運だったのだろう。

 

 「虚無舞台」の話題になった原因()でもある件の舞台は、観に行っていたおたくによるとそこそこ面白かったような意見も見たし、まあ決めつけはよくない。ただ今回Twitterトレンドに「虚無舞台」が入るくらい負の側面(2.5や舞台に限らず客商売や芸能界にはきっとある)が明るみに出たし、舞台に立つ人が批判しててあー怒られが発生しているなという事案もあったので、今回を機に虚無を一掃してほしい。頼みます。今回映画を取り上げただけでわたしの虚無は映画だけじゃないよ。

 

終わり。